一般の方々は、歯周病・歯槽膿漏は、歯周病菌が原因であり、それによってのみ起こる、と考えている方が多いと思います。
しかし、歯周病・歯槽膿漏、もしくはそれに似た症状が起こる原因を、単純に歯周病菌のせいだけと片付けてしまうのは早計です。
実は歯周病・歯槽膿漏の原因には、歯周病菌の感染以外にも、以下に挙げる通り、いろいろな要素が絡んでいるケースが見受けられます。
詰め物や被せ物は、ほとんどの場合、最初は噛み合わせが高く作られてきて、それをお口の中で、高さを合わせて入れます。
ところが、詰め物や被せ物をほんの少しでも、噛み合わせが高いまま入れてしまうと、その歯や噛み合わせ側の歯が刺激を受けて、歯周病・歯槽膿漏に近い状態になる場合があります。
歯周病・歯槽膿漏の直接的な原因は、細菌と言われています。
それらの細菌が棲み着きやすい口の中の環境が遺伝される可能性は十分考えられます。
ただし現在の段階では、遺伝と歯周病に直接的因果関係があるという結論を導き出すだけの研究成果は、まだ出ていません。
一般の方々は歯の根の病気から歯周病・歯槽膿漏になるの?と不思議に思われるかもしれません。
たしかに厳密にいえば、歯の根の病気による歯周病・歯槽膿漏は、歯周病・歯槽膿漏の分類には入りません。
でも、歯の根の病気が進むと歯周病・歯槽膿漏に酷似した症状が出てくるのです。
部分入れ歯は、ほとんどの場合、入れ歯を支えるために歯にバネをかけますが、入れ歯がうまく合わないで、食事のたびにお口の中で入れ歯が動いたり、また入れ歯が合っていても、入れ歯の大きさとそれを支える歯のバランスが悪かったりすると、バネをかけている歯に過度の力がかかってしまい、歯周病・歯槽膿漏に類似した状態が起きやすくなります。
歯周病・歯槽膿漏は以前から、糖尿病の合併症の一つと言われてきました。
実際、糖尿病の人はそうでない人に比べて歯肉炎や歯周炎にかかっている人が多い、という疫学調査が複数報告されています。
実は部分的な症状で一番多いのが、この噛み合わせ異状によって起こる、歯周病・歯槽膿漏なのです。
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