歯周病・歯槽膿漏の直接的な原因は、細菌といわれています。
それらの細菌が棲み着きやすい口の中の環境が遺伝される可能性は十分考えられるのですが、現在の段階では直接的な関係があるという結論を出せるだけの研究成果は、まだ出ていません。
しかし、歯をよく磨いても歯周病や歯槽膿漏や虫歯になってしまう人もいれば、まったく歯に関心がなくてブラッシングさえしないにも関わらず、歯周病はじめ歯槽膿漏にも虫歯にもならない人もいる……この事実はやはり見過ごせません。
「歯周病・歯槽膿漏の原因は細菌」と前述しましたが、実はその歯周病・歯槽膿漏の原因の周りには、たくさんのリスクファクター(増悪因子)があります。
例えば、以下に挙げるのは、遺伝的疾患へも作用する代表的な要因です。
また、歯周病・歯槽膿漏になりやすい病気(糖尿病、白血病など)、遺伝的疾患も多数あります。
直接的原因ではないでせよ、これら身の回りのちょっとした要因が、歯周病・歯槽膿漏を悪化させるのです。
若いときから、歯周病・歯槽膿漏に悩まされ、いつも歯茎の具合が悪いとのことでいらした方です。
お話を聞いてみると、ご両親も早い段階で歯槽膿漏で入れ歯になられたとのことでしたので、歯槽膿漏の遺伝的な因子が疑われました。
いらした時には、針金と接着剤ですべての歯を繋いでいましたが、応急的な処置なので、頻繁にどこかの接着剤や針金が外れ、その度に歯が揺れて歯茎が腫れますし、見栄えも悪くて、あまり歯を出して笑うことも無くなってしまったそうです。
歯周病・歯槽膿漏の治療後です。
長年応急処置を繰り返していましたので、奥歯の数本の歯は助けられませんでしたが、その他のほとんどの歯は、歯茎の処置をした後、すべての歯を差し歯で繋ぐブリッジ式差し歯で固定して、安定させることが出来ました。
奥歯はこの後歯茎に密着するしっかりした入れ歯を入れましたので、食べ物が良く噛めるようになりました。
前歯がきれいになったので、笑顔が増えたそうです。
また、生活習慣でリスクファクターとなりそうなことについては、出来る範囲で生活習慣の改善をお願いしました。
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